ミーソン遺跡に行く前必見!チャム彫刻博物館への行き方、見かた、歴史をマスター

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こんにちは

ダナン在住日本人、ベトナム人のMy(ミー)とPhuong(フォン)です。



今回はダナンの観光名所の一つ、チャム彫刻博物館へ行ってきましたよ!



実際行ってみると、館内は綺麗に整えられており、空調調節は扇風機だったと思うのですが、快適に見て回ることができました。



それではダナン市内にあるチャム博物館の見どころを詳しくご紹介していきます。



(取材日:2019年8月7日/当日の気温36℃ /27℃






チャム彫刻博物館について



フランススタイルの様式をしたチャム博物館はダナン市内中心のドラゴン橋の尾っぽから目と鼻の先に位置した博物館です。

そしてダナンから車で2時間ほどで着く世界遺産ミーソン遺跡とセットで行く定番、そして人気の観光スポットの一つでもあります。


チャム博物館には2世紀から15世紀(101年~1500年)にベトナム中部に存在したチャンパ王国時代の遺跡の一つであるミーソン遺跡の彫刻や遺物が保存、展示されています。


またチャンパ王国を築いたチャム族の暮らしぶりも、実物の機織り機や衣類、装飾品などから伺い知ることができます。

チャム博物館の主な展示であるミーソン遺跡の彫刻類はインド文化(ヒンドゥー教)の影響を受けており、大胆ながらも温かみのある文化を感じることができます。


展示物の説明書きはベトナム語と英語です。

博物館館内には日本語も含む6か国語での簡易パンフレットがインフォメーションにて用意されています。





チャム彫刻博物館の歴史


ダナン彫刻博物館が建てられたのは1915年のこと。

ダナンがクアンナム省から独立したのを機に、この敷地を購入し”The garden of Tourane”:トゥーランの庭(トゥーランとはダナンの旧名)としたと言います。


博物館にチャムの彫刻をここに集めるのに建設されてから実に20年の時を要しました。

ミーソン遺跡自体フランス統治時代1898年に探検家によって発見、発表されたこともありチャムの彫刻発掘はフランスの考古学者やフランスの公共研究機関であるEFEOによってスタートしました。

その後ベトナム戦争が勃発

ミーソン遺跡も一部アメリカ軍によって破壊されました。

結果的に彫刻博物館にフランスによって運び込まれていたため、遺跡にあった貴重な彫刻類は守られました


チャム博物館自体は年々綺麗になってきており、チケット販売場所や入口も数年前とは変わっているため、最新情報をご覧ください。


チャム博物館は2015年で設立100年を迎えました









チャム博物館へのアクセス


チャム博物館へは車、バイク、バスツアー、徒歩でのアクセスが可能です。


ダナン国際空港から車で約10分

ミーケビーチ中心から車で約10分

ダナン大聖堂から徒歩15分以内







チャンパのことが一番詳しく知れる博物館!


所要時間は普通に周ると1時間じっくり見て1時間半~2時間程度


チャム彫刻博物館は2階建てになっており、

1階はミーソン遺跡の彫刻類

2階はチャム族の暮らしぶりが分かる食器、壺、衣類の展示ミーソン遺跡の写真展示、特別展示3つに分けられます。


特別展示エリアでは、2019年8月現在では博物館の100周年を記念しチャム彫刻博物館の成り立ちを写真パネルで紹介していました。

下の館内図の1~7までの番号はおまかな見る順番の流れです。

それぞれのスケジュールに合わせご覧ください。






チャム博物館のチャムって何?


チャムとは昔ベトナムの中部から南部を支配していたチャム族の名前です。


現在の”ベトナム”と定義づけられた場所はごく最近のもので

ここに行きつくまで様々な歴史があります。


ベトナムを含む東南アジア一帯には多くの少数民族で構成されており、現在、一般的にベトナム人と呼ばれる人たちはベトナム民族(キン族)という部類に入ります。

チャム族はベトナム中部南部の先住民であり、現在もベトナムに住んでいますが、本当に少数民族になってしまっているのが現状です。





現在のチャム族


現在、チャム族はベトナムの 中南部やメコンデルタ、カンボジアとベトナムの国境付近に居住しています。


そのため、チャンパ王国が建造した宗教建築の周辺に居住するチ ャム族はわずかで少数民族として認識されています。


17 世紀半ばに王家の宗教がイス ラムに改宗されチャム族の三分の一以上がイスラム教徒になっており、現在のチャム族もイスラム教を信仰しています。





チャム族が築いたチャンパ王国はすごかった!



写真:チャム博物館1Fにて撮影、今はなきチャム遺跡の一つ


チャンパ王国は現在のホイアンも含む中部から南部にかけてを2 世紀末から17世紀まで、現在のベトナム中部から南部にかけて存在した王国です。



それ以前の2世紀末までは192年に中国(後漢)の支配されていましたがが、その後1500年以上にわたりチャム族が実権を握っており、現在の中部の文化に大きな影響を与えた民族でもあります。



日本の2世紀から17世紀は邪馬台国の卑弥呼がいたとされ聖徳太子、藤原道長から始まります。その後12世紀には鎌倉時代に入り、15世紀末から一世紀は戦国時代が続きました。キリスト教文化が入ってきたりし17世紀には徳川家が築いた江戸時代が始まります。

そのように考えるととても長い間存在した大きな国であったと容易に想像できるかと思います。



さて、チャンパ王国とはどのような大国だったのでしょうか。

現在もなお解明されていないことが多い国であり時代なのですが、

大まかに政治、経済、宗教の3つのエリアに分けて考えることができます。


チャンパ文化の遺跡は中部から南部にかけて分布するヒンドゥー教の神殿軍を特徴とし、その分布の中心の一つはトゥボン川流域でした。

この流域には政治的な都チャキウが営まれ

流域上流には宗教の中心となったミーソン(4~13世紀)が築かれます。

そして現在のホイアン辺りには経済の中心となる都市があったと考えられています。




現在も残るチャンパ大国の6つのチャンパ遺跡



【青】ミーソン遺跡群

【緑】クアンナム遺跡群(ミーソンは除くクアンナムエリア)

【橙】ビンディン遺跡群

【赤】ポー・ナガル遺跡群

【紫】衰亡期の遺跡群

【茶】ポー・ ハイ遺跡群

【横線】チャンパ大国が支配していたと言われる地域(時代により南からキン族によって侵略されていく)





一番人気のミーソン遺跡


ミーソン遺跡はダナンから車で約2時間、ホイアンからは約1時間のところに位置するベトナムの先住民チャム族が築いたチャンパ王国時代の遺跡群の一つです。


古代チャンパ王国はクメール王朝やシャイレーンドラ朝と並ぶ東南アジアの三大古代王朝の一つであり、数多くの特徴的なレンガ造りの寺院建造物や彫刻の文化遺産を残す貴重な世界文化遺産になります。

この古代チャンパ王国が残した遺跡、ミーソン聖域は1999年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。


4 世紀後半以降、チャンパーの王がヒンドゥー教の神であるシヴァ神をまつる木造の祠堂を建造 したことにより始まり、7 世紀以降、祠堂は木造からレンガで建造されるようになったとされています。

木造のものはすべてベトナム戦争時代に破壊されてしまい、現在は 8 ~ 13 世紀末までに接着剤を使わずに築かれたレンガの建造物の遺構を見ることができます。

よって、チャム彫刻博物館に展示されている彫刻類も8~13世紀のものになります。





早速ミーソン遺跡にあったチャム彫刻を見よう!


ミーソン遺跡並びにチャム彫刻博物館に展示されている彫刻類はヒンドゥー教を祀ったものであるため、ヒンドゥー教、インド神話を調べておくと更に楽しむことができます。

現在キリスト教、イスラム教に続いて、人口の上で世界で第3番目の宗教であるヒンドゥー教。


チャム博物館に飾られている彫刻類一つ一つに物語があると言っても過言ではありません。

これは何の神様だろう、これは夫婦だな、こんな物語があったなーと見れると面白さが高まるのではないでしょうか。

同じ神様でも何体もいるため、一つ一つのパネルで名前し、同じ神様の彫刻を見比べるだけでも楽しめます。




チケット購入


大人:60.000VND

学生:10.000VND

6歳以下:無料

※スロープが用意されているため、足腰が心配という方も安心してお越し頂けます。


(2019年8月現在)





1階








2階







ヒンドゥー教の世界三大神を探そう


ヒンドゥー教では、最高神が「創造・維持・破壊」の三つの役割に応じて「ブラフマー・ヴィシュヌ・シヴァ」として現れるとする「三神一体説」が唱えられています。この三人は名の通り力関係は同等で、役割は違えど一番偉い神様が3人います。

ブラフマー(宇宙の創造神

時間と宇宙が生まれた瞬間にヴィシュヌ神のへそから生える蓮の中から現れたという話が上記の彫刻には彫られています。

東西南北の方向に4つの顔を持ち、蓮の上に座っているのがブラフマーの特徴。

ここでは前から見えるだけの3つのお顔が彫られています。




ヴィシュヌ(太陽と維持の神)

4つの手に棍棒、蓮華、ほら貝、輪宝を持っているのが特徴

写真一番右、輪宝は、何も持っていないように見えるが想像と破壊の力を表すものなので、目に見える形で持ってはいないのだと解釈できます。


シヴァ(破壊と創造の神

リンガの形をとることが多い。

館内に入って一番初めに向えてくれるのがシヴァ。

またシヴァの顔ではなくリンガ(男性の男根)はチャンパ大国の中で最も多い彫刻であり、チャム族にとっても大切な存在なのかと思いきや、リンガの形の方が多いため、シヴァを知らない人もいるのだとか。

とはいえ世界的に見ても人気の高い神様の一人です。





女性の神様


ヴィシュヌの妻ラクシュミー


シヴァの妻ドゥルガー:パールヴァティー

タラ像






動物の形をした神様



シヴァの従者聖牛ナンディン

シヴァが可愛がっていた牛で、人気の神様。

首には鈴、宝石などの豪華な頭飾りをしています。

かわいいです。背中のあたりまで綺麗に装飾が彫られており美しいです。




ガネーシャ

ガネーシャはヒンドゥー教の最高神であるシヴァと山の女神のパールヴァティーの子ども。

像の頭がついているのにと思いますよね?インド神話詳しく知るとかなり面白いです。

日本でも夢をかなえる像でなじみがあるのではないでしょうか。

そんなガネーシャはあらゆる災いを払い、事業、学問、恋愛をうまくいくように見守ってくれる神様とされています。




ハヌマーン

猿の神さまです。

変幻自在の体はその大きさや姿を自在に変えられ、空も飛ぶ事ができるのが特徴。

空を飛べるお猿さんと言えば…孫悟空。

もしかしたらルーツがあるかもしれません。




カーラ

動物というより妖怪。

食欲旺盛で自分の身体まで食べてしまい顔しかなくなってしまいました。

顔だけなのはカーラと思ってよいでしょう。





リンガとヨニ


何も知らずに行った私が古代の噴水かと思ったリンガとヨニは

リンガとは男性の男根ヨニ(ヨーニ)は女陰を表しています。

リンガは破壊、変容、再生のシヴァの力を示しており、リンガとヨニが二つ合わさることで男と女のエナジー(エネルギー)、もしくはシヴァとシヴァの妻であるシャクティの二人のことを示しています。

これらは繁殖力と豊かさのシンボルでもあり、生命と宇宙の起源の基本をなすといいます。





最後に


ミーソン遺跡にあったものをチャム博物館で保存しているため、ミーソン遺跡に足を運ばれる方はもちろん、時間の都合上ミーソン遺跡には行くことができない方もダナン市内にあるチャム博物館に訪れることをおすすめいたします。


チャム博物館でみれる彫刻はとても綺麗です。

以前は騒然と並べてあったり、この貴重性を理解しておらずかなり雑に扱われてしまい運ぶ途中で割れてしまったりすることもあったようなので、近年の博物館の努力はとても素晴らしいと感じます。

何世紀も前の美しい彫刻をこのような形でみれるのは大変幸せです。

また、QRコードで展示物の説明書きが見れる日も近づいているようです!


他にもベトナムの歴史を知りたいという方はダナン博物館またはサーフィン文化博物館も合わせてご覧ください。


ミーソン遺跡を建てたチャム人が築いたチャンパ王国のひとつ前、紀元前のころの文化であるサーフィン文化。

中南部ベトナム海岸で発展した漁労民の文化であるサーフィン文化については、ホイアンにあるサーフィン文化博物館にて鉄器や装飾品を見ながら知ることができます。もしお時間がある方は、合わせてご覧ください。




参照:チャム彫刻博物館の展示パネル、埼玉大学大学院文化科学研究科博士後期課程学位論文 『ベトナム社会主義共和国における民族意識の変容 : チャンパの文化遺産保護を中心に』永井義美2009




この記事を書いた人について


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