グエン朝時代の華やかな作品が楽しめるフエ宮廷骨董博物館(Hue Royal Antiquities Museum)

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1923年にカイディンミュージアムとしてオープンしたフエ宮廷骨董博物館。

 

現在は、メインの施設に最後から二番目の第12代皇帝Khai Dinh帝時代の遺物の展示ブース、フエエリアのチャム遺跡についてのの展示ブース、そして2023年より第8代Ham Nghi帝の絵の展示室が開設されており、フエを訪れる際に訪れたい博物館として国内外から多くの旅行者が訪れるスポットの一つです。

 

今回は「フエ宮廷骨董博物館」の見どころや歴史的背景などをご紹介いたします。

フエの観光スポットをお探しの方は是非参考までにご覧ください。

 

 

 

■100年以上の歴史を誇る博物館


「フエ宮廷骨董博物館」は、Khai Dinh皇帝時代の1923年により「Musée Khai Dinh(カイディン博物館)」として開業。
 

ベトナム語名はBảo tàng Cổ vật Cung đình Huế、英語名はHue Royal Antiquities Museum。

日本語では様々な表記がされていますが、「フエ・ロイヤルアンティークミュージアム」、「フエ宮廷アンティーク博物館」「フエ宮廷骨董博物館」などとして知られています。

フエ王宮の東側Cửa Hiển Nhơnの出口から約徒歩5分。

 

4つの展示室を設けた博物館は約30分~1時間程度で見て周ることができる。

 

│フエ宮廷骨董博物館は元々別の場所から移転

博物館内にあるメイン棟である「Khuôn viên điện Long An(ロンアン宮殿)」は、元々第3代皇帝Thieu Tri(1841 - 1847)帝によって現在のCầu Lợi Nôngのエリアに1845年に王の休憩所として建設されますが、1800年代後半にフランス軍により破壊。

Duy Tan帝統治下の1908年にはロンアン宮殿を現在の場所に復元する形で建設されました。

第12代皇帝Khai Dinh帝時代の1923年には、フランス人の考古学者を中心に書物などを保管する博物館として使用されており現在に至ります。

「Khuôn viên điện Long An(ロンアン宮殿)」は、フエ遺跡群に含まれておりユネスコの世界文化遺産の一つに認定されています。

 

│博物館の名前は今まで度々変更されている

博物館の名称は、開業してから今まで100年間にわたり、Musée Khai Dinh(カイディン博物館)、Tàng Cổ Viện(古代博物館)、Viện Bảo tàng Huế(フエ博物館)、Bảo tàng Cổ vật Huế(フエ古遺物博物館)、Bảo tàng Mỹ thuật Cung đình Huế(フエ宮廷美術博物館)と名称が度々変更されているため、時代により名称が異なっています。

2024年現在は、「Hue Royal Antiquities Museum(フエ宮廷骨董博物館)~Musée Khai Dinh~」という名で親しまれています。

 

 

 

■フエ宮廷骨董博物館の見どころ


敷地内には、複数の建物があり、「展示室(information room)」、「メイン展示室(Long An palace)」、「Ham Nghi帝の展示室」、「チャム遺跡の展示室」の4つの展示室がある盛りだくさんな博物館となっています。

 

メインの建物であるロンアン宮殿そのものの見どころはもちろん、グエン宮殿にあったフエ王宮全盛期に使用された調度品の数々が展示。


その他、フエ近郊で発見されて物をメインにチャンパ彫刻のコレクションや、第8代皇帝Ham Nghi(咸宜)帝の展示エリアも設けており、一つの施設で複数のジャンルの展示物をお楽しみいただけます。

 

 

メイン展示室にもなっているロンアン宮殿(隆安殿)を見よう


綺麗に管理されているロンアン宮殿とお庭。

 

メインの展示室になっているのは、フエで最も美しい木造の宮殿とも言われている、ロンアン宮殿(隆安殿)です。

木造平屋の建物ですが、中の柱には細かな装飾が施されているなど、文化的価値が高い世界遺産にも登録されている建造物です。

 

現在は、Khai Dinh帝が使用していたものをメインに、Dong Khanh帝やThanh Thai帝時代の調度品の展示をお楽しみいただけます。

またロンアン宮殿前の庭もグエン朝時代に使用された小型の大砲や石造も飾られており、合わせてご覧いただけます。

 

※館内は土足禁止であり足元は木材の板のため、特に雨季の時期は底冷えしますので靴下を持参されるのをおすすめいたします。

 

Khai Dinh帝の時代にロンアン宮殿を博物館としたため当初の名前はカイディンミュージアムとされました。

 

外観も美しく、軒下にも鐘や石碑などの展示を見ることができます。

 

グエン朝時代のから今に残る柱や梁に装飾が施された美しい木造建築、中は土足禁止です。

 

食器などはすべてショーケースに入っており綺麗に展示されています。

 

Dong Khanh時代に装飾目的で使用された木製がベースで金メッキと天然石などで造られた盆栽。

 

1800年代中ごろに宮廷で使用されていた大小さまざまなエナメルの食器類。

その他シルバー食器や青銅で造られたものも多く見ごたえがあります

 

独特な形の木製マードラゴンなど特徴的で凝ったデザインのものも多数。

 

金メッキが施された九龍球は王朝時代の栄光を感じさせます。

 

1920年前後にKhai Dinh帝が着用していた衣装・帽子などもずらりと並んでいます。

 

Khai Dinh帝が使用していたベッド、複数の椅子、駕籠なども豪華な装飾が目を引きます。

 

このように屋内には、磁器、青磁器、王室衣装、印章、儀式で使用された楽器、鏡画、金メッキや象嵌の木製家具などが飾られており、フエのどこの展示品よりも華やかで豪華絢爛です。

グエン王朝時代の技術が詰まった陶芸品などをじっくりとご覧いただけます。

 

 

 

幼くして時代に翻弄された第八代皇帝Ham Nghi帝の展示室も必見


敷地内の一番端に位置する平屋の一棟がHam Nghi帝専用の展示室になっている。

 

実は、第三代皇帝が亡くなった後のグエン王朝時代は、フランスの保護国にされたため皇帝に実質的権力はありませんでした。

中でもに1883年以降、保護国となったばかりの数年間に皇帝の座に就いた皇帝らは、在任期間も短く、名ばかりともいえる在任期間を過ごします。

特に第8代皇帝Ham Nghi帝は、10代でフランス領アルジェリアに追放されてから一度も戻ることはなく、フランスに埋葬された皇帝であり、ベトナムに建造物なども残していないことから注目される機会が少ない皇帝の一人です。

 

ここでは、フランス領アルジェリアで生涯を遂げた第8代皇帝Ham Nghi帝の生涯や、彼が制作した絵の展示室が開設されています。

 

Ham Nghi王が1896年に描いた鉛筆書きの肖像画のプリント版。

 

ベトナムの昔ながらの建造物で可愛らしい雰囲気。

 

印象派の絵画に影響され自身もそのスタイルの絵を多数制作している。

現在展示物の中で唯一の実物の絵をショーケース越しに確認することが可能です。

 

レオナール・フジタこと藤田嗣治氏とのツーショット写真。

 両者は友人関係であると記されており、西洋にてHam Nghi作品が展示された1926年に撮影。

 

 

 

チャンパ王国時代の最北端!

フエ周辺エリアのチャム遺跡についても学べる


ロンアン宮殿の横にあるチャンパについての展示室の建物。

 

1928年開設されたフエ省エリアのチャム遺跡についての展示ブースも併設しています。

エとその近郊、またチャンパ王国の王都であったクアンナム省のチャキュウエリア、ビンディン省のタップマムエリアで発掘されたチャムの遺物が保存されており、他の地域では学べないフエならではの情報も多数展示されています。

ワンフロアのスペースの簡単な展示スペースですが、フエ周辺のチャンパ遺跡について詳しく学ぶことができます

砂岩で造られたの像像が並びます。

 

14~15世紀のシヴァ神@フエ市

フエのLinh Thai山の寺院正面で発見されたシヴァ神。一般的に見られるものよりも特徴的な顔立ちが印象的です。

 

10~11世紀の象(Gaja)@クアンナム省

ガジャは「明哲」のイメージを持つ象徴であり、様々なスタイルの銅像やモチーフが見つかっています。

 

Kinnaraの像@ビンディン省タップマーン遺跡

KinnaraとKinnariでのペアで、寺院の屋根の上で神の世界を称賛する音楽を演奏する神話上の半人半島の身体を持つ生き物。

 

 

 

博物館になるまでのロンアン宮殿の歴史については展示室で確認可能


入口近くの「information room」では、主にロンアン宮殿の歴史や、美術館になるまでに携わった人々や、博物館で展示されている展示品についての詳細の説明があります。

 

「フエ宮廷骨董博物館」はパンフレットなどはないため、事前情報がない方は一度簡単にご覧いただくと簡単な歴史が分かるかと思います。

ほぼパネル展示だけですので、お急ぎの方は飛ばしてしまってもいいかもしれません。

ベトナム語と英語の二ヵ国語での説明されています。

 

 

さいごに


1923年に建てられた建物を博物館にした博物館。

昨年は100周年を迎え特に注目を集めた建物の一つでもあります。

 

木材を使用した細かなディテールが素晴らしい館内はもちろん、ベトナム王朝時代の骨董品、書物、当時使われていた日用品などが展示がみどころ。

訪れる際は第12代皇帝Khai Dinh帝や、第8代Ham Nghi帝など、グエン朝時代の王様の予備知識があるとよりお楽しみ頂けると思います。

 

是非フエへお立ち寄りの際は、訪れてみてくださいね♪

 

見どころまとめ

✓築100年以上の歴史を持つフエで最も美しい木造建築「ロンアン宮殿」

✓ロンアン宮殿内に展示されている骨董品の数々

✓チャンパ王国時代のフエエリアについての展示

✓第8代皇帝Hàm Nghiの作品展示

 

 

 

Hue Royal Antiquities Museum:フエ宮廷骨董博物館

住所:03 Lê Trực, phường Đông Ba, Thành phố Huế,Thừa Thiên Huế

営業時間:7:00~17:30

所用時間:館内すべて見ると約1時間。メイン展示室のみなら30分程度。

チケット料金:大人50,000VND、12歳未満又は身長140cm未満の子どもは無料

ホームページ:https://www.baotangcungdinh.vn/Default.aspx?l=vn

※本記事の写真はスタッフに撮影可能か確認し撮影しています。


 

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