近年、ダナンから日本の直行便も増え、人気が高まっているベトナム中部のリゾート地ダナン。

そんなダナンが年間の中でも特に様子が変化する時期が旧正月、テトの時期です。

日本と同じように新年を迎えるために家族と過ごし、盛大にお祝いをします。

テト期間はお店が閉まる、街から人がいなくなる、とよく言われるのですが、テト前の期間はどうでしょうか。

今回はテト前に出没するお花の市場のご紹介です。

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旧正月（テト）って何？

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テト（Tết）とは旧正月のベトナム語の呼び名で、一年間に一回のベトナムでは貴重な約１週間の長期休暇となります。

テトの期間は旧暦の暦で数えられるため、年々日付が１月だったり、２月だったりと変化します。

そしてテトは、日本のお正月と同じように、ゆっくり新年を家族と過ごすのが恒例となっている国民にとって大切な祝日です。

旧暦の大晦日である12月30日から一週間程度の休暇が通常です。

2020年のベトナムの旧正月テトは、西暦の1月24日(金)が大晦日、1月25日(土)が元旦にあたります。

2020年の今年の政府が発表したテト休暇は、西暦の１月23日（木）から１月29日（水）になりました。

テトにはお花を飾り華やかにお祝いする習慣があります

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外には両サイド２つにお花を飾ります。

（ダナン市内にて）

屋内にも造花や本物の花を飾り新年をお祝いします。

（ダナン市内にて）

テト前に出現する花市場はテトの風物詩

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テト前には町の一角にお花の業者さんが集まって、花市場ができます。

今回ご紹介するのはダナン市内でも一番大きな９月２日記念公園の広場です。

その他、ダナン市内の大きな交差点や普通の通りの一角にもテトの時だけお花屋さんが集まるため、一気に町はテトモードとなります。

花市場では日中は日差しが強いため、テントを建てていたり、簡易小屋のようなものも建てテト前の一週間強に渡り、お花を売ります。

テトの８日前の取材だったため、まだ花市場はまだ出店していないお店もありましたが約８割はすでに営業をしていました。

2020年の花市場に集まっていた店舗は約40店舗ほどで、次々と運ばれてくる商品をせっせと運んで、陳列したり、陳列が終わった店舗の亭主の方はぼーっとしていたり、お花に水を掛けたりせっせと働いていたり、まだテトの８日前だと販売は本番ではないように感じました。

無理に引き留めて買わせようとして来たり、引き止めたりもなく落ち着いてお花の鑑賞を楽しめます。

９月２日記念公園の広場

９月２日記念公園の広場の一角にあるHOA MAIを売るお店

９月２日記念公園の広場の前に並ぶお店。テントは店番の人の日よけに使われる。

９月２日記念公園の広場の一角のお店

お店それぞれで屋根を付けたり付けなかったりしていて自由

テトを祝う伝統的な花はこの２つ

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南部では黄色梅のhoa mai（ホアマイ）、北部ではピンクの桃のhoa đào（ホアダオ）が飾られます。

中部も気候的には北部の花の栽培が難しく、黄色のホアマイの花が飾ってあることが多いです。

古くから多くの人に親しまれてきたMAIは幸福のシンボルとして現在まで親しまれています。

お花の種類と相場の話

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花市場で販売されているお花の種類は実に様々。

今回の花市ではMAIの花、梅、桃、キンカン、菊、蘭、ひまわり、ブーゲンビリア、つつじ、マンリョウ、朝顔、ポインセチア、サルビア、グズマニア、盆栽等種類だけでも約20種類が見られました。

さてこれらのお花はどこからやってくるのでしょうか？

花市場に出店をしていた花屋の亭主たちによると、植物の種類にもよりますが、ダナン（Đà Nẵng）、ホイアン（Hội An）、ダラット（Đà Lạt）、サデック（Sadec）、ミェンタイ（Miền Tây）などベトナムの中部から南部にかかての場所から飛行機やトラックで運ばれてくることが分かりました。

実際の市場では大きなトラックや、木でできた荷台で、運ばれてくる様子が見られます。

市場なので日によって値段の変動はありますが、最高額は、ベトナム伝統のMAI（マイ）の植木（鉢付き）で約270万円。

最低金額は小さい蕾がたくさんついている幅が30cmの円型の菊の２つセットで2000円。

主要なお花の金額しか調査できなかったため朝顔や手のひらサイズのサボテンなどであればもっと少額、200円程度から購入することができるでしょう。

またテト間際になってくると、当然金額もセール価格になり、お手頃価格で手に入れることができるそうです。

左は高さ320cmはある最高額の270万円のMAIの木。

30cm程度の小さなものであれば7000円～12万円程度で購入可能。

これから徐々に花開くものと既に咲いているものが販売。

（ダナンで栽培されたもの）

黄色の小さな菊は二つで約2000円

（サデックで栽培されたもの）

背の高い130cmほどの菊の花は二つで6000円ほど

きんかん（cây quất）の木は高さ40cm程度の小さい物から写真のような２ｍ越えのものまで様々

キンカンの木は上記の菊と同等にたくさんの量が町で販売される。テトの期間見かける機会が多い植物の1つ。

値段は高さ180cmのもので約１万～２万円程度で購入することができる。

（ホイアンで栽培されているものが多数）

柑橘系果実、ザボンの木（bưởi：ブイ）

今回の花市ではキンカンの他にこのザボンとこぶしほどの大きさのミカンを付けた木も販売されていた。

黄色の色の花や実がなっているものなら縁起がいいからOKといったところだろうか。

黄色とピンクの欄

白色の欄も見かけたがこの２色が売れ筋のよう。

赤（ショッキングピンク色）と黄色では赤色の方が高価である傾向が高い。

真ん中の黄色の欄は約25万円、右端の赤のものは約17万円で販売。

（ダラットから飛行機で運ばれてくる）

違う店舗の欄。

左のピンク色の欄は約５万円。

（ダラットで栽培されているもの）

あまり見かけない梅の鉢植え。

その他さまざまな花が売られる

花が運ばれてくる様子

全て鉢植え込みの値段で、お店によってプラステックのものから陶器のそのまま飾れるものものまで様々。

テトの飾りも一緒に露店で売られます。

テト前、テト期間は町に溢れるお花にも注目です

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今回はベトナムの旧正月、テトを迎える期間に町に出現する花市についてご紹介しました。

飛行場からまっすぐ海沿いに出る際にも大きく２ヵ所で花の販売がされており、街歩きの際もこの時期絶対見かける光景でしょう。

そしてテトの飾るものや、飾るものに一つ一つ意味があること、また旧正月は家族で過ごすという考え方は日本と共通点も多くありより身近な国に感じられる時間でした。

日本のお正月は飾るものといえばしめ縄、門松、もち花、鏡餅、梅、と決まっていますがベトナムはご覧の通り飾るお花や植木は人それぞれ。

もちろんそれぞれに一応意味はあるのですが、寛容な国だなと身にしみて感じる瞬間でもありました。

テトのお花は別ですが、日本に比べバラの花は10本で300円～400円で購入することができます。

ご旅行の際に、スーパーや市場なのでお花を購入してホテルのお部屋に飾るのもいいですよね。

テトの一週間前の期間ですが、大きな花市が見たい方は、今回ご紹介した、９月２日記念公園の広場まで足を延ばしてみて下さいね。