コロナに負けない!日本からベトナム中部へ・約7500杯分のお米の寄付を実現



こんにちは

ダナン在住日本人My(ミー)と、ベトナム人のPhuong(フォン)です。

今回は以前4月28日にご紹介した米ATMの続き、第二弾です!



前回は米ATMに行き、どんな様子だったのか客観的に見た様子をご紹介しました。

>>>【コラム】生活困難者へ無料提供・ベトナム全土に広がる米ATMとゼロドンスーパー



実のところ、まさか米ATMについて再度ご紹介する予定はなかったのですが、ひょんなことから素敵な活動をされている日本人男性に出会い第二弾を書かせて頂く運びとなりました。



今回は、「おうちでできる国際貢献」というプロジェクトを立ち上げ、寄付を募り、日本からベトナムの1つの恩返しとして、お米を米ATMに届けた日本人男性に注目してご紹介していきたいと思います。



ボリューム満点でご紹介していきますが、最後までご覧いただければ嬉しいです。





│ベトナム全土に広まった米ATMとは


米ATMとは簡単に言うとお米を困っている方に渡す活動のことを指します。


ベトナムではコロナウイルスにより仕事がなくなり生活が困難になった人や元々生活困難の人の為にお米を配布する活動が全国で行われています。

ベトナムメディアはお米を引きだすという意味から「ATM Gạo:米ATM」と呼び、3月下旬よりベトナム南部の都市ホーチミンから全国に広まりました。


この「米ATM」は実際に米ATMというお米を引き出せる機械がある場合と、ただ人が袋に詰めたお米を手渡しで渡している場合の2つの場合があり、”お米を困っている人に寄付する”活動全般のことを指しています。

「米ATM」の名前の発起人とも思われる、米ATMの機械をつくったホーチミンのドアノブメーカーの社長が開発し活動が広まったとされており、コロナウイルスが蔓延し暗い雰囲気に少し光が差し込んだ活動の1つでもありました。



│ベトナム中部の町ダナンの米ATM


ベトナム中部のダナンでは米ATMという名の付いた活動自体は大手の飲食店や銀行、大学機関でも行われましたが、ベトナム中部の米ATMは主にダナン青年起業家協会が率先して行い、最終的にダナン市内には3箇所に設置しました。



ダナンで活動を率先して行った青年企業家協会(:Hội doanh nhân trẻ Việt Nam)とはベトナム社会主義共和国に帰属するベトナム青年連合会の中の協会で、企業の発展と組織の各メンバーの成功並びに国の社会経済発展を目的とする非営利法人です。その中でもダナン青年起業家協会は約400の企業が参加しており、交流を深めたり、社会貢献の活動実施したりしています。


ダナンでの米ATMの配り方は、中部の青年企業家協会の人たちで対象を考え、経済困難者やバイクの有無や服装に限らず、幅広くコロナウイルスで困っている人、という枠組みで配布活動をはじめました。「コロナウイルスで困っていたら誰でも来れる、誰でももらえるプログラムにすることにより、人とのソーシャルディスタンスは設けなければならなくても心の距離は近い、そんな活動にしたかった。」とダナン青年起業家協会の米ATMを主催した責任者の方は話してくださいました。



広報方法はSNS、各地方の機関や、各機関の車のアナウンス等で各世帯に伝えられ、青年団、公安、公安幹部、守衛、地域のボランティア、等に加え寄付を行ってくれた企業や在住のベトナム人、外国人の方々によってこの活動は支えられました。




│寄付金や寄付米が届き反響も広がる


ダナン市青年企業家協会の場合、まず初めにお米を様々な人からサポートしてもらい80トン集め4月20日にコロナウイルスにより経済困難に陥っている人に向けにお米を配り始めました。

このニュースが出た後に企業や個人から「私たちも協力したい」という声が上がり100kgから寄付ができるようになり協賛者の数が増え、お米の数も増えたと言います。


お米の寄付方法は主に主催側に現金で寄付し主催側がお米を購入するか、お米を購入し寄付するかの2通りで誰でも簡単に寄付をすることが可能。

実際、ベトナム人のみならず、多くの欧米人、数名の日本人などの在住人からも集まりました。





│【おうちでできる国際貢献】プロジェクト・ベトナムへ恩返しがしたいと寄付を募った日本人


おうちで出来る国際貢献プロジェクトは現在ベトナム中部に住み日本とベトナムを繋ぐお仕事をされている愛媛県西条市LOVE SAIJO応援特使 兼 Loglo Platform理事長も務める篠原学さんが牽引しました。


篠原さんは米ATMの存在を知ったその日に個人で100kgを寄贈。この取り組みを多くの方に知ってもらいたい、関わってもらいたいと考え呼びかけを開始しました。


新型コロナウイルスの影響でマスク不足騒動があった日本はベトナム政府から医療用マスク5万枚と約1080万円相当の医療物資を寄贈されましたが、日本からの支援のニュース

は耳にしていなかったことも篠原さんを動かしたと言います。


またこのプロジェクトは日本在住歴10年、ダナン出身、現在はダナン在住のAsia Travel Central 代表取締役 Minhさんのサポートで実現しました。

Minhさんの日本語とベトナム語の通訳からコーディネート等、全面的なサポートにより〈おうちでできる国際貢献・プロジェクト〉はスムーズに進むことができました。

篠原さんとMinhさん

(ダナンの米ATMが設置された敷地内にて)




│一口1000円から気軽に参加できるプロジェクト

振込完了の画面・送金者はコメントなども自由に記載できる


プロジェクトは、「LOVEベトナムSAIJO」という約700人がメンバーにいる公開Facebookページを通じ呼び掛けられました。

ただお金を集めるだけではなく、よりベトナムを知ってもらう、また興味を持ってもらうことも大切な要因の一つだった為です。

一口を1000円に定め、スマホ決済・送金アプリPayPayを使用し、手数料を掛けずに寄付を募りました。



このようにFacebookやオンライン送金を使用しての寄付の仕方はポピュラーなのでしょうか。

篠原さんは最近ではクラウドファンディングなどお金を集めるためのツールはあるものの、それを立ち上げるだけの時間と手間、手数料がもったいないと感じたから今回の方法を採用したのだと言います。

その為、企画から実行までは比較的時間もかけずスムーズに行ったといいます。


しかし、お金の送金方法だけは工夫が必要だったとか。ベトナムの都市部ではキャッシュレスカが進み、スマホ決済のサービスは一般的になってきたものの、日本で普及しているスマホ決済・送金アプリは海外では使えないものも多く、PayPayもベトナムには対応していないため、日本にいるスタッフとのやり取りで寄付金の確認をする必要がありました。

※また、ベトナムはFacebookdでの募金キャンペーン(寄付)のページ作成が非対応地域となっている。


このように企画から実行までの時間、手数料、いかに色んな人に興味を持ってもらえるか、を工夫した結果短期間で予想を上回る寄付を募ることに成功しました。

また、このプロジェクトに賛同し寄付をしてくれた方々は西条市の方はもちろんのこと、西条市とは今までご縁がなかった方、日本在住ベトナム人、ベトナム在住ベトナム人、ベトナム在住日本人の方、など多種多様だったと言います。

おうちでできる国際貢献プロジェクトを通し多くの方にべトナム中部のことをや篠原さんの出身地である愛媛県や現在応援特使も務める西条市について知って頂く機会ともなったことは支援金が目標を大きく上回ったことにも増して嬉しい出来事だったと篠原さんは話します。


集まった寄付金は最終的に18,600,000VNDとなり、ベトナムでお米やミルクに変えベトナム中部の3カ所に寄付される運びとなりました。





│約7500杯分のお米をベトナム中部3地域へ

ダナンの米ATMに仕分けされていたお米の写真

集まった寄付金18,600,000VNDは1.1トン分(一杯150gとし約7500杯分)のお米とミルクとなり、ベトナム中部の3都市であるダナン、クアンチ、フエへ配布されました。

ダナン、クアンチ、フエはそれぞれ距離もあることから別日に行い、その期間中も継続して寄付を募りました。




①中部の都市ダナンへ300kg



海と山と川がギュっと詰まった魅惑の町として知られる近年急激に注目が集まるダナン。

人口が年々増加しており約113万人が住むベトナム第三の都市として知られています。





「Hạt gạo tình thương:思いやりの米」プログラムはダナンの3カ所で行われました。

このプログラムはダナン青年企業家協会・ダナン人民委員会・ベトナム青年の3つの団体により運営されました。

今回寄付を行ったヤングビジネスアソシエーションの施設には一番多くて一日8000人から9000人がお米をもらいに来たといい、最終日近くまで連日行列が途絶えることはないほどでした。

人数も多いことから、なるべく2mのソーシャルディスタンスを設けマスクと消毒剤をすることを義務とし、受け取りに来た人にお米を渡しました。


LOVEベトナムSAIJOからは、寄付して頂いたお金から計300kgをダナン青年起業家協会が主催する3つの場所のうちの1つに寄付しました。



米ATMが設置された71 Xuân Thủy, phường Khuê Trung, quận Cẩm Lệにて


300㎏分のお米と記念撮影

寄付したことを並んでいる方に発表した際には日本の音楽を掛け、「AJINOMOTIO!」「TOYOTA!」などベトナム人にポピュラーな日本のメーカー名を大きな声で篠原さんたちに伝え、感謝の気持ちを表してくださいました。

(寄付した方はこのように写真を撮るのが恒例となっています)


ボランティアとして米ATMの運営をサポートした若者たち

(実際のボランティアの年齢は多様で明るく楽しみながら活動されていました)


お米は2ヵ所の機械からもらうことができます。

(詳しい様子はこちらの記事からご覧ください)


身体が不自由な方にはスタッフがすでに袋詰めしたお米を手渡していました。





②クアンチへ500kg



ベトナム戦争時に北ベトナムと南ベトナムの境界線となり激しい戦場となったクアンチ。

現在もベトナム戦争時代の爪痕を色濃く残しアメリカ軍が散布した枯葉剤の被害に苦しむ人が多くいらっしゃいます。



LoveベトナムSAIJOからは、クアンチ省に唯一住む日本人である中村範子さんの協力のもと、2020年5月17日(日)に計500kgを寄付しました。


クアンチ青年起業家協会の協力で、クアンチ省ドンハー市内の貧しい地域で特設コメ配布会を実施し、配布が行われました。


活動の様子は現地メディアであるQUẢNG TRỊ Onlineにも取り上げられました。


Facebook:https://www.facebook.com/groups/HUBVietnam/permali...

クアンチの町の文化会館にて配布


関係者集合写真:中央にクアンチの会長さん・写真左にクアンチ省に唯一住む日本人中村範子さん



お米を受け取り笑顔のおばあさん


自電車で受け取りに来たおじさんの帰宅の様子





③古都フエへ300kg



ダナンからバスで約2時間程度のところに位置する古都フエ。

ベトナム最期の王朝・阮(グエン)王朝の都が置かれていたことからその遺跡がべトナム初の世界遺産に登録された街で、日本人の観光客からも年々注目を集めています。




フエの米ATMはダナンより数日早く開始、終了していました。

その為、2020年5月18日(月)に計300㎏と牛乳を障がいをもつ方の貧困家庭やお寺に寄付を行いました。


Facebook:https://www.facebook.com/groups/HUBVietnam/permali...

ボランティア団体の協力で、障がいをかかえた方の貧困家庭へ直接訪問


お米を直接渡しに行き握手を交わす地元の方と篠原さん


市街地までお米を取りに行くことも難しいご家庭がいっぱいあるため、一軒一軒丁寧に周りました


寝たきりになっている方にも寄り添いお顔を見てお米を渡しました


あまり裕福ではない貧困を抱える独居老人を受け入れるティンドゥック寺にて





│今回の活動を行った“LOVEベトナムSAIJOとは


「LOVEベトナムSAIJO」はLOVESAIJO応援特使も務める篠原氏が、西条市民と近隣に住むベトナム人をつなぐコミュニティーとして2019年5月に立ち上げたことに始まります。

ベトナムを身近に感じてもらう情報提供、ベトナム料理教室、浴衣花火大会、もちつき大会などの交流を行っていました。


コミュニティーの会員は西条市民に限らず少しずつ増え、「どこにいても西条が好き、でつながるコミュニティ=LOVE SAIJO」と同じく「どこにいてもベトナムが好き、でつながるコミュニティ」になってきています。

最近ではCovid-19に関する各種情報提供などにより日本人、ベトナム人ともに会員急増。2020年5月現在、700名を超えるコミュニティーに成長しています。

LOVEベトナムSAIJO Facebookページ:https://www.facebook.com/groups/HUBVietnam/



また、「LOVEベトナムSAIJO」の名前にもある愛媛県西条市はトゥアティエンフエ省の省都フエ市と2018年に友好都市提携を締結。

2005年から始まる防災協力から、JICA草の根技術協力事業やJETRO地域産業交流支援事業などでの交流を実施。

2019年からローカルベンチャー事業として、市民ぞれぞれがより身近にベトナムとのつながりや産業交流を持てるようにHUBベトナム事業が始まりました。

西条市とベトナム(フエ市)との関係について:https://www.city.saijo.ehime.jp/uploaded/life/5913...





│さいごに



今回はダナンの米ATMのみ一緒に同行させて頂き、その他は頂いた情報を元よりご紹介させて頂きました。


普段はダナンを拠点としつつも、ベトナムの他の地域でも活動をされている篠原さんの活動を取り上げることにより、ベトナム中部の他の都市のことを知る機会にもなったのではないでしょうか。


今回のレポートを通し、米ATMのことはもちろん、ベトナム中部の方のことや、各都市の時代背景と現在の姿を知る一助となれば幸いです。





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特に中部のダナンは、人口約96万人のベトナム第三の都市とも呼ばれる港湾都市。
首都のハノイと南部のホーチミンから片道1時間強とアクセスが良く、日本の各都市からも直行便が飛んでいます。ダナン市内もコンパクトで、国際空港から中心地まではタクシーで約10分、ビーチまでは約20分の距離。
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