ベトナムでは「旧正月」のことを「Tết（テト）」といい、時期は違えど日本の「お正月」と同じように新年を家族を祝う習慣があります。

この記事ではベトナムのお正月休み「テト」の様子、注意点を８点ご紹介したします。

１．テト休みは毎年変わる・休みは７～12日程度

旧正月(テト)は月の満ち欠けを基準にした太陽太陰暦に基づいた旧暦カレンダーにて決まります。そのため旧暦カレンダーを見みてみると一目瞭然ですが、新暦カレンダーとは全く日付が異なるため、テトの時期も変わります。

そのため、旧正月の詳細は毎年11月～12月頃などテト直前に政府が発表するシステムです。

例えば2021年の大晦日は新暦の2022年1月31日、元日は2月1日で、テト期間は1月29日～2月6日までの９連休でした。今年の2022年度の大晦日は新暦の2023年1月21日、元日は1月22日で、テト期間は1月20日～26日の７連休までとなりました。

このように年によってテト休み期間が変動します。また上記のように政府が決めた休みは公的機関に適応されるものであり、個人事業主や企業などは自由に設定することから最大２週間程度をテト休暇とする場所もあります。

２．レストラン・カフェ含めお店はほとんど閉まる

日本の三が日と同じように、ベトナムでもテト期間は飲食店に限らず、ほとんどのお店が閉まります。

一部観光が盛んなエリアでは観光客向けに営業していますが、レストラン・カフェなどは通常より最大で約20％増しの料金に設定されることが多いです。

割増料金には、ベトナムの労働法による「通常勤務の給料に加え、最低３倍の給料を支払わなければならない。深夜勤務(10:00～6:00)の場合はさらに時間給単価の20％に相当する割増手当を支払う必要がある。」¹というお店側の事情もあります。

基本的にローカルの個人経営の小さいお店は、どんなに人気店でも閉める傾向にあるので、空いているお店を事前に確認しておくとよいでしょう。

¹「JICAベトナム 2019 年労働法 （法律番号 45/2019/QH14）」第98条時間外労働,深夜労働の賃金(p45)を参考

３．大型スーパーも元日や大晦日は休み

飲食店などの他に大型のスーパーも大晦日と元日は時短営業になるか休む場合があります。ただし他のお店に比べて１週間などテト期間丸々休むことはしないのでご安心ください。

ただし品数は通常よりも減る可能性もありますので、ご注意ください。

在住者の方はもちろん、お土産を買いたいと思っている観光客の方も元旦や大晦日は避けて買い物に行けるといいでしょう。

４．主要観光地は営業している◎

ベトナム旅行をする方にとっては朗報！基本的に観光地は営業しています。

世界遺産はもちろんVinグループのテーマパークも営業しています。

ただし念のため事前にFacebookなどで確認しておくと安心です。

参考：2021年度のダナンの観光地の営業状況はこちらから

５．公共交通機関は大混雑

テト期間中は、ベトナム人の多くは実家に帰省したり国内外へ旅行へ行きます。

そのため飛行機、ベトナム統一鉄道、大型バスといった公共交通機関はかなり早い段階で売れてしまうのと、需要によって値上がりもします。

もちろんホテルも通常よりも高くなる傾向になるので、移動や宿泊を検討している方は早めの事前準備が大切です。

６．短中距離の移動も要注意！Grabも正月料金＆タクシーも減！

遠出する際の交通手段の事前準備はもちろん、空港や駅から市内までの交通手段や、少し距離がある観光地までの交通手段にも注意しておきましょう。

過疎地でなければ、交通手段がゼロになることはありませんがタクシーは捕まりにくいので、場所や場合によっては事前にチャーターの車やツアーに申し込んでおくと安心です。Grabもテト価格で若干値段が上がります。

７．ATMからお金が消えることも

テト前に必ず準備しておきたいのが「現金」です。

帰省する際のお金やお年玉のお金など、何かと物入りな時期のテト。

ただしテト期間は基本的に銀行も休みになりますので、誰も補給をする人がおらずATMがスッカラカンになることも。お金が入っているATMを探し求めて大行列になっている風景などは風物詩のように毎年ニュースになっています。

事前に現金を用意したり、ベトナムの主要な支払方法の一つであるインターネットバンキングを使えるようにしておくと便利です。

８．テト前後になると犯罪が増加する傾向あり!?

2021年に在ホーチミン日本総領事館が出した注意喚起には「テト前後になると犯罪が増加する傾向にあります。²」とあります。

都市や場所にもよりますが、テト期間に金目のものが欲しい人が増えるのでしょう。ひったくり・スリ・置き引きはもちろん、空き巣、バイクの取り締まり強化により発生する賄賂、などにも注意してください。

²Consulate General of Japan in Ho Chi Minh City「テト（旧正月）に伴う注意喚起等(令和3年1月22日)」

さいごに

さて今回はベトナムのお正月、テト期間で気を付けることと題し、注意点や現地の様子などをご紹介いたしました。

テト期間は通常時とは全く様子が異なります。

行きたかった観光地やレストランへ行ったのに営業していなかった！ということにならないように、ホテルはもちろん、交通手段やレストランなどを事前に予約するなど事前準備をきちんとして楽しいテト期間を過ごしましょう。