ベトナム・タムキー観光者必見!チャンパ王国の5つの遺跡を巡る(ミーソン遺跡群&クアンナム遺跡群)

 

 

 

2世紀~17世紀、ベトナム中部から南部にかけて栄えたチャンパ王国。

特にクアンナム省は最も栄えた時代の中心地であり、現在のホイアン市周辺であるホイアン、ミーソン、チャーキエウの3か所を中心として発展した王国です。

 

現在ベトナムには、多くのチャム族が残した建造物が残っており、中部~南部にかけて複数の遺跡が点在します。

ただし遺跡数が多すぎることから管理は行き届いておらず、すべて野外にあることから野草に覆われ、復旧作業の見通しもないとという遺跡がほとんどで、まだ解明されていないことも多くあります。

 

そんな中でも、世界遺産にも登録されているミーソン遺跡をはじめとし、チャム遺跡の遺物は古いものでは数千年前のものも残っており、主にヒンズー教の神々を信仰していたチャンパの人が作ったレンガ造りの塔を見ることができます。

 

今回はクアンナム省にある5つのチャム遺跡をご紹介します。

 

 

 

ベトナム全土に広がるチャンパ王国時代の遺跡群


チャンパの遺跡はベトナム中部に幅広く分布していることから、主要な遺跡は6つのエリアに分けられています。

このグループ分けに属さないチャムの遺跡も多くあり、その中のいくつかの遺跡は以下の地図でグレー色で表示しています。

 

現在も残る主要な6つのチャンパ遺跡群

・ミーソン遺跡群 (青)

・クアンナム遺跡群(緑)

・ビンディン遺跡群(橙)

・ポー・ナガル遺跡群(赤) 

・衰亡期の遺跡群(紫)

・ポー・ ハイ遺跡群(茶)

※博物館の展示物にはなかったその他のチャムの遺跡は「グレー」で表示。チャンパ大国が支配していたと言われる地域は「黒線」。線はおおざっぱなイメージとしてご覧ください。

 

 

 

中部にあるミーソン遺跡群とクアンナム遺跡群の5つの遺跡をみよう


今回は6つの遺跡群のうちの2つの遺跡群である、ミーソン遺跡群の「ミーソン遺跡(4~13世紀)」、クアンナム遺跡群の「ドンユーン仏教寺院」、「クォンミー塔」、「バンアン塔」、「チェンダン塔」、の計5つの遺跡ご紹介します。

順番は建設されたのが古いものからご紹介しています。

 

1.ミーソン世界文化遺産(Di sản Văn hóa Thế Giới Mỹ Sơn)

7世紀後半~13世紀後半に建設された遺跡が残るチャンパ遺跡最大級の遺跡群。世界遺産にも1999年に登録されました。

「宗教の中心の場所」と知られており、4世紀にBhadravarman王がヒンドゥー教の神を祭るために建築したのえお起源に、その後の歴代の王たちが次々と作り、最盛期には70以上の塔などがあったとされています。

 

現在ミーソン遺跡では、7、8世紀~13、14世紀までに建てられた6つの建築タイプ(古代様式、ホアライ様式、ドンズン様式、ミーソン様式、ポーナガル様式、ビンディン様式)を確認することができます。

グループB、C、D(ほとんどがミーソン様式)の遺跡

 

グループB、C、D(ほとんどがミーソン様式)の遺跡

 

グループE(古代様式・ミーソン様式・ポーナガル様式)の遺跡

 

住所:Đường vào Mỹ Sơn, Thánh địa Mỹ Sơn, Duy Xuyên, Quảng Nam, ベトナム

入場料:150,000VND

詳しくは>>>世界遺産のミーソン遺跡の行き方・見どころ徹底解説 

 

 

 

2.ドンユーン仏教寺院(Phật viện Đồng Dương)

9~10世紀に建設された「チャンパ最大規模の伽藍を持つ仏教寺院であった」と言われている遺跡。

チャンパ王国の最盛期に建てられた寺院で、ヒンドゥー教を主に仏教も信仰していたことが分かる重要な遺跡です。

 

ただしそのほとんどが破壊され現在は一つのエリアに塔の一部のみ残されていますがそれも崩壊の危機にあります。

チャム彫刻博物館にはここで見つかったとされる遺物や銅像のレプリカが多く飾ってあります。

 

ミーソンのA10、A11 、A12 、A13、B4も該当する、ドンユーン(ドンズン)スタイルに属します。

入口入って正面から見た図

 

横にはレリーフが残る。右下はここで発掘されたとされる遺物の1つ(彫刻博物館所蔵)

 

左にかすかに見えるのがドンユーン仏教寺院

 

補足情報:2023年1月時点では周囲も手入れがなく成長しきった草木が生い茂り塔の周りは270度しか見て周ることができませんでした。

 

ドンユーン仏教寺院

住所:M7GV+4P3, Bình Định Bắc, Thăng Bình, Quảng Nam, Vietnam

入場料:無料

 

 

 

3.クォンミー塔(Tháp Khương Mỹ)

10世紀初頭に建設された遺跡。3つの塔からなっており、入口はすべて東側を向いています。

3つの塔は、中から見るとどれもとてもきれいな正方形の構造をしており空洞のピラミッドのようにてっぺんに向かうにつれ狭まっていくく造りで、その精巧さに驚かされます。この遺跡からは、ヴィシュヌ教の彫刻が多く発見されており、チャム彫刻博物館にも多数飾られています。

 

正面から見ると左から右へと大きくなってレンガは小さく、細かなレリーフや石の石造も多数見られました。

大きく分けるとミーソンA1、B2、B3、B5、B6、B8、C1、C2、C3、C4、C5、C6、D1、D2、D4、E7などと同じスタイルを持っています。

遺跡を裏から見た図

 

細かなレンガとレリーフ

 

三つの塔の内部はすべて精密なピラミッド型になっており、上部にはかすかに穴が開いている

 

補足情報:2023年1月時点では敷地内に小さな平屋があり、見つかった遺物をここでも展示できるようにするように準備している様子が見られました。修復のためのブロックも積まれているなど、管理されている遺跡の部類に入ると感じました。

 

クォンミー塔

住所:GGX4+568 Liên, Liên xã, Núi Thành, Quảng Nam,Vietnam

入場料:無料(※20,000VNDかかったという人もあり)

 

 

 

4.バンアン塔(Tháp Bằng An)

11世紀に建設された崇拝とお祝いののために使用されていたと言われる、チャンパで唯一八角形の主祠堂が残っている遺跡。

実際に中に入ると八角形になっているのが見え、天井は開いており光が差し込んできます。外には左に象、右に獅子の石造があります。

高さ21.5mの塔の中には元々シヴァの象徴であるリンガが祭られており、塔自体もリンガに着想を得ている非常にユニークな遺跡です。敷地内には碑文も残っています。

 

My SonA1からBinh Dinh Styleの変換期のスタイルと呼ばれ、Banh it、Binh Lam、Po Nagar、My Son E4/F2なども同じ時代に創られています。

バンアン塔を斜め横から撮影した図

 

左に象、右に獅子の石造

 

内部は綺麗な八角形で中央に穴が開いている

 

補足情報:敷地内に、簡単ですが、英語とベトナム語の塔の説明パネルがあったのが良かったです。

普通の郊外に並ぶ住宅エリアの道に突如現れる遺跡であり、ホイアン市内からは距離があるもののアクセスはしやすく整備もされていました。

 

バンアン塔

住所:V6MM+R7X, Điện An, Điện Bàn, Quảng Nam, Vietnam

入場料:無料

 

 

 

5.チェンダン塔(Tháp Chiên Đàn)

11~12世紀に建設されたヒンドゥー教の神を祭るために建てられた塔。

左からヴィシュヌ、シヴァ、ブラフマーの神々への塔とされています。真ん中のシヴァ神の塔が一番高く、中は綺麗な正方形の筒型にまっすぐ伸びている遺跡です。塔の上はあまり高くつくられていないのも特徴の一つです。

遺跡の横には碑文が残っており、保存状態の綺麗なこの時代の文字を見ることができます。

 

4でご紹介したバンアン塔と同じく、My SonA1からBinh Dinh Styleの変換期のスタイルと呼ばれ、Banh it、Binh Lam、Po Nagar、My Son E4/F2なども同じ時代に創られています。

チェンダン塔の正面

 

敷地内にある小さな展示室

 

美しい正方形の内部(ヴィシュヌとブラフマーの塔は写真と同じような内部)

 

補足情報:2023年1月に訪れた際は、ゲートが閉まっていたのですが、横のゲートの鍵が容易に開けられたのでそこから入りました。しばらくする管理人さんがが飛んできて、チケット料金を請求されました。ただその後施錠されていた敷地内にある博物館のカギをを開け、簡単に説明もしてくれました。
 

チェンダン塔

住所:Tháp Chăm Chiên Đàn, Tam An, Phú Ninh, Quảng Nam, Vietnam

入場料:20,000VND

 

 

 \ワンポイントアドバイス/

クアンナム遺跡は、正面が東向きに立てられている遺跡なので、午後から夕方は西日で逆光!

写真を撮りたい方は、日が西に行かない午前中に訪れるのをおすすめします。

※本記事の写真も、表から撮ろうと思ったらすべて逆光でした・・・。皆さんはお気をつけて。

 

 

 

さいごに


今回は、ホイアンとタムキ―周辺にある「ミーソン遺跡群」と「クアンナム遺跡群」の5つの遺跡ご紹介いたしました。

 

バイクを運転される方や車のチャーターできる方でないとすべてを見ることは難しいですし、特に目的がない場合すべてを見る必要はないニッチな歴史遺産たち。ただ実際いくつかの場所の遺跡を見比べることでチャム人の偉大さを感じることができる遺跡群でした。

 

一部の遺跡群は手入れが行き届いておらず、見学がしづらい場所も多いです。少しでも興味がある方は、事前に情報収集してから訪れてください。

チャム遺跡に興味がある方や、タムキ―観光を検討されている方への少しでも参考になれば、幸いです。

 

 

※本記事の「○○世紀に建設」や「建築スタイルの名称」などの情報はすべてダナンチャム彫刻博物館のパネル及び現地のパネルから得た情報を元に記載しています。

 

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