【移転】ダナンのECOな量り売りのお店・ゴミを出さないNo waste to go
今回はちょっぴり真面目に、素敵なお店をご紹介したいと思います。
ダナン市内の住宅街にある、No waste to goという生活用品を地元民の方に販売しているお店です。
旅行者向けのお店ではないのですが、ダナンのこれからの道筋を示す良いお店の1つだと思いご紹介させて頂きたいと思います。
皆さん、ダナンと聞くとどのようなイメージを持ちますか?
海でしょうか?山でしょうか?それともまだ衛生面の整っていない発展途上の町と思うでしょうか?
少なくても「環境に配慮した国」とイメージする人は少ないと思います。
今回は、ダナンでリサイクル・リユース・リデュースを推し進めているおしゃれなお店「No waste to go(ノーウェイストゥーゴー)」をご紹介します。
※本記事は2020-03-10に投稿されたもので、2022年時点で店舗は海側のアントゥンエリアに移転しております。本記事は前店舗のものですのでご留意ください。
この先地球で生きるための目標SDGsとベトナムのアクション
今、世界ではSDGsという2030年までに達成しようとしている17の目標があります。
SDGsはSustainable Development Goals:持続可能な開発目標の略で、2015年に採決され国際目標です。
今世界では戦争、貧困、不平等、高齢化社会、地球環境悪化、エネルギー問題などたくさんの課題を抱えています。
SDGsの17の目標では、「1.貧困をなくそう」「3.すべての人に健康と福祉を」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「15.陸の豊かさを守ろう」など生活ベースの問題から地球の抱える問題まで世界の抱える課題が挙げられています。この各17の目標に対して具体的な目標が5~10程度上げられており、17の目標に対して169のターゲットによって構成されています。それをベースに国や政府、企業、個人単位で行える取り組みにが行われています。
これは先進国にだけ求められる目標ではなく、すべての人類が向かう世界のビジョンであり、またそれぞれが意識しなければ達成されない目標でもあります。
最近日本の女性誌でもサスティナママ、サスティナブル旋風などと取り上げられ、話題を呼んでいますがこれもSDGsの流れから来ているもので、いろいろな形で見聞きするようになってきています。
ダナン市内と美しい海とソンチャ半島
さて、ベトナムではどうでしょうか?
えーベトナムって貧しいイメージだから貧困問題から取り組んでるんじゃない?
発展途上国でしょ?自国でアクションしてるイメージないよ。と思う方もいるかもしれません。
SDGsを基準に考えると、ベトナムが最重要課題と指摘されているのは以下の6つ(2.飢餓をゼロに、3.すべての人に健康と福祉を、9.産業と技術革新の基盤をつくろう、14.海の豊かさを守ろう、15.陸の豊かさを守ろう、16.平和と公正をすべての人に)で、SDGsが達成されていると評価された課題は一つもない状態です。
とはいえ日本もSDGsが達成されていると評価されているのは目標4の質の高い教育をみんなに、と目標9.産業と技術革新の基盤をつくろうの、2つのみで世界162カ国中15位、ベトナムは54位でした。
中でもダナンは工場地帯やリゾート地帯の開発が進む一方で、2008年に環境都市宣言を行い廃棄物や汚水処理などのを整えたり、2013 年 4 月に横浜市と「持続可能な都市発展に向けた技術協力に関する覚書」を締 結したりするなど、持続可能な開発に関しても具体的にアプローチされています。
というわけで、今回は”環境”と”生活”に焦点を置いた、ダナンでNo wast to goという生活用品を販売するお店を運営している女性の一人にお話を伺ってきました。
超住宅街にかわいい!ECOのお店を発見!
ミーケビーチの北の海沿いからバイクで6分程度のところにあるNo waste to goは完全な住宅街に位置しています。
周辺は住宅が並び、これといったお店はありません。
Facebookでたまたま見つけたお店で、実際に行ってみるとあまり土地勘のない道に迷いながらお店に到着しました。
写真左に丸を付いてあるところがお店
緑が美しいプランターと、お店の管板が目印です。
店内はワンフロアで、お家のような居心地の良い空間で英語が堪能な女性が出迎えてくれます。
ダナンで広がるECOフレンドリーの輪
ベトナムの大きな問題としてごみ問題、水問題、空気の悪さの3つが大きく取り上げられることが多いです。
ベトナム、ダナンでは環境都市宣言も上げられており、ECOに対してもある程度意識があると感じますが、地域によってもかなりバラツキがあると考えられます。
ダナンには海のゴミをかたずける活動をしているグループがいくつかあり、ベトナム人を主体としたもの多く、盛んです。
特にダナンでは市でプラスチックごみを減らすようにプラステックストローレストランや地元のカフェで多く普及しています。
ダナンでの買い物は市場やスーパーが主流です。最近はコンビニも増えてきましたが、
市場でも、スーパーでも、コンビニでも、野菜や果物は量り売りが主流です。
ダナンでは卵や乳製品を含む、動物性食品を一切取らないビーガン料理のお店も増えてきています。
お土産店にもステンレスや竹でできたストローを販売するお店も多く、旅行者の方でも環境に配慮した取り組みを見ることができます。
必要なものを必要な分だけ手ごろな値段で購入できるお店
2019年10月にオープンしたこちらのお店は3人のベトナム人女性によって営まれています。
3人は元々友達で、一人一人ECOに関して関心があり3人のうち1人のお家で、共同出資して開業しました。
客層は欧米人や、韓国人、日本人、ベトナム人の若者、近所の人に利用されており、
洗剤、ベーキングパウダー、砂糖、塩、シリアル、ハーブ、バラなどを販売しています。
販売しているものは、なるべく地元のものを購入していますが、手に入りにくい物は、ホーチミン、ダラット、フエ、クアンガイ省など全国から購入しています。
お店の軒先にあるハーブやバラはオーナーの一人がダナンの郊外に農園を借り栽培しています。
一部のグラノーラや石鹸も手作りのものを販売しており、特に3種類から選べるグラノーラは人気です。
購入の仕方は簡単、タッパーや開いたボトルを持っていき詰めてもらうだけ。
欲しい量を伝えると、お店の方が計りで量って入れてくれます。
値段と産地はそれぞれ商品のPOPに記載されているので安心して購入することができるのも魅力の一つです。
棚に陳列された商品。
粗塩・料理用の塩・コショウの実
洗濯用炭酸ソーダ・クエン酸・重曹
MINH HONG BIOTECHの液体洗濯剤・フロアクリーナー・ボディーソープ・クリーニング用のお酢
ピーナッツ油・植物性油・はちみつ
(左にちらっと見えるのは、パームシュガー。氷砂糖の代わりにパームシュガーを使い梅酒を作ることもできる。)
食用にもなる活性炭
(使い方は公式ホームページに記載されています)
ナッツの種類は豊富。中でも手作りの3種類のグラノーラが人気。
はちみつを使用しないビーガン向けのものから、果物が入ったものものまで、出来立ての時に購入できたらラッキーな商品!
手作りの石鹸はとてもいい匂い、切るサイズも自分で決められます。
(ノニ、レモングラス、シナモンコーヒー、コーヒー、ラベンダー、ローズ、ハニー、ミント)
オイルも販売してますよ。
洋服も人から人へ、着てない洋服も誰かにとっては必要かも
Freeコーナー
まだ着れる着なくなった服やアクセサリーは置いてけて、必要な人は持っていけるコーナー。
マイ容器・マイバッグをもって買い物に出かけよう
はちみつやナッツを入れられる瓶や、丈夫なジップロックの販売。
洗剤を入れられるようにペットボトルなども用意されています。
自宅で利用している袋や容器があれば綺麗な状態にしてリユースしましょう。
ビンは100円~150円程度で購入可能。
ジップロックはマチ付きのしっかりしたものなので大きいもので500円ほどです。
ECOバックや竹で作られた歯ブラシ、の販売も。紙袋は1枚15円で販売しています。
石鹸や歯ブラシのプレゼントとかには購入してもいいかも。
自分用にはなるべく買わないようにしたいですね。
お客さんが使わなくなったペットボトルの容器などを持ってきてリユースできるようにしています。
3人のベトナム人女性がスタートさせたNo waste to go
量り売りスタイルはべトナムでは受け入れやすい?!
3人の女性がスタートさせた、今回ご紹介したお店、No waste to go。
それぞれ他に仕事を持ちながら、毎週1人2日間ここのお店で働いています。
そのうちの一人がお店のストーリーを話してくれました。
「良いものは高い、ECOフレンドリーなものは高いというのは誤解よね。
うちにはスタッフもいなくて、自分の家で行っているから、適正価格で販売することができる。今後街中の高い賃貸の場所にお店を出そうとは思っていないわ、あくまで地元の人向けのお店なの」
とネイティブな英語で流暢に説明してくれるオーナーの一人である彼女。
彼女の英語はアメリカのドラマをひたすら見て勉強したのだという。彼女ともう一人の女性も英語がとても流暢で、ここまで独学で上手に英語を話すベトナム人にあったことがなく驚きました。
さて、彼女たちのECOに関する意識はいつ生まれたのでしょうか。
1人は昔 ごみ処理・風力発電・バイオ・リサイクルのコンサルの仕事をしていて、もう一人はYouTubeで日々の生活で大量のごみを出している動画を見て興味を持ったとか、とにかく一緒の考え方をもっていたからこのお店をスタートさせたと話してくれました。
また、既に半年もたっていませんが難しいこともあったといいます。
こちらでは以前お米を扱っていたのですが、お米は高温と湿気に弱く、状態を保つのが難しいです。有機栽培なのか、そもそも購入される量も多くないとなれば売るのは難しいな、などいろいろな問題があり販売するのはやめたそうです。
オーナーの一人である話をしてくれたベトナム人女性は問題意識が高く、意思が強い女性だと感じました。
でも笑ったり、人生を楽しむことを大切にしているそんな前向きな素敵な女性でした。
ベトナムは町でも市場でも、量り売りや個数で購入することが日常なので、このお店のスタイルはベトナムでは受け入れやすいのかもしれません。
ベトナムはまだまだ思い立ったらすぐビジネスをできるような環境で、入れ替わりが早いこともまた事実。
無理せずに需要と供給のバランスが整った状態で形を変えながらでも今後もダナンの住宅街にあり続けてほしいお店の形だなと思いました。
環境に優しくすることは自分を大切にするということ
今回は、ベトナムダナンにある“ECOフレンドリー”、環境に優しいお店、No waste to go(ノーウェイストトゥーゴー)をご紹介しました。
量り売りで必要な分だけ、同じ容器で購入すること、はフードロスを削減することと無駄なゴミが出ないスタイルになっていて環境に配慮しています。
今回のお店も無理にECOにしようとしてオープンしたわけではないことがお伝えできていれば幸いです。
今回の容器のないお店は、初めにお話しした世界の開発目標SDGsの17の目標の
「3.すべての人に健康と福祉を」、「12.つくる責任使う責任」「14.うみの豊かさを守ろう」に繋がるお店の在り方だと感じます。
世界の開発目標SDGsなんて言われると、今までやってきたことを我慢しないといけないようなマイナスな印象を持つかもしれません。
しかし、SDGsやECOフレンドリー(環境に配慮すること)は特別難しかったり、絶対こうでならなければならないとか、我慢を強要する考え方ではありません。
既に行っている簡単なアクション一つが未来を繋ぐ一歩だったりするのです。
・使わない水や電気は消すこと
・農家から野菜を直接買うようにすること
・バジルやキッチンで簡単に栽培できるものは栽培すること
・食品ロスを出さないようにしてごみを減らすこと
・量り売りでパッケージのない商品を買うこと
・旅行に行くときは自分の歯ブラシを持っていくこと
・使い捨ての食器は使わないこと
などなど、、、これは我慢とか、誰かのためにというより、自分たちの生活がもっと楽になるコツではないでしょうか。
私たちの生活は「便利」になってきているように見えますが、構造を見てみるとどんどん見えない部分も増えてきて複雑化してきている部分もあります。
難しく考えず、もっと合理的に、簡単に生活できる、通販サイトやスーパーで買うだけが便利じゃない、もう一度自分にとっての便利な生活を見直してみるのもいいかもしれません。
ダナンから素敵な女性たちが始めたお店のご紹介でした。
興味のある方は実際に足も運んでみて下さいね^^
No waste to go
旧住所:86 An Hải 6, Sơn Trà, Đà Nẵng
新住所:88 Bà Huyện Thanh Quan, Đà Nẵng
営業時間:9:00~19:00(月曜休み)
TEL:+84 8 9668 7188
HP:https://nowastetogo.com/?fbclid=IwAR2LGWYvQqqdDZqqgHDSbNi0kWb4AQOuPROeDRdjE6LzwIE0ij4GGCyVogE
FB:https://www.facebook.com/nowastetogo/
参考文献
「Sustainable Development Report 2019」https://vietnam.opendevelopmentmekong.net/topics/sustainable-development-goals/ (参考2020年3月10日)
「Sustainable Development Goals」https://www.sdgindex.org/(参考2020年3月10日)
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※本記事掲載の店舗情報、料金などは取材時点で確認した情報です。各情報は記事掲載後に変更されていることがあります。
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