フエのアンディン宮殿はフランスへ行った気分になれる特別な空間だった

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ダナンから車・バイク・列車で約2時間、北上したところにある「古都フエ」。


世界遺産の町として知られている古都フエの町には至るところに、1802年に成立し1945年まで存続した阮朝(グエン朝)の都が置かれたベトナム最後の王朝の遺産が残っています。


今回はその中でもフエ市内中心部にある、ヨーロッパ、フランスを彷彿とさせる美しい建物「Cung An Ðịnh(アンディン宮殿)」をご紹介します。





時間がない方にもおすすめの観光地「アンディン宮殿」


Cung An Ðịnhは日本語で、「アンディン宮」「アンディン殿」「アンディン宮殿」など様々な呼び方がされており日本語では統一されていません。

中国語表記では「安定宮」、英語では「An Dinh Palace」と翻訳されているフランス様式の建物です。

(本記事ではアンディン宮殿で統一)




アンディン宮殿があるのは市内中心を流れるアンクー川(sông An Cựu)ほとりの179 Phan Đình Phùng, Phú Nhuậnに位置しています。

観光所用時間は30分程度で、ササっと見ることができる世界遺産「フエの建造物群」の一つです。

フエ救世主教会、市場、BIG-Cからも近いので町散策の旅程に組み込むのもオススメの観光地となっています。




ベトナム最後の皇帝が暮らした邸宅

アンディン宮殿の歴史


アンディン宮殿は元々、9代皇帝のドンカイン帝(在位1885年-1888年)が長男である、のちの12代カイディン帝のために建てた現在のフランス様式とは異なる建物でした。


現在残されている建物は、1917年に12代皇帝の カイディン帝(在位1916~1925)が邸宅を西洋風に改修したもので、名前もフンホアからアンディンに変更されています。


カイディン帝はのちに宮殿をグエン王朝最後の皇帝となる息子のヴィントゥイ王子(後のBảo Đại:バオダイ帝)に譲渡しており、この邸宅は第三代にわたって受け継がれました。

ただし、皇帝時代は王宮に住むのが常のため、カイディン帝の幼少期と、バオダイ帝が1945年の8月革命後~1954年にゴ・ディン・ジエム政権によって没収され、フランスに亡命するまでの約10年間、バオダイ帝の主に家族が住んでいた邸宅となっています。

そのため現在は、最後に住んでいたバオダイ王とその家族の写真が宮殿に主に展示されています。


Cổng thông tin điện tử tỉnh Thừa Thiên Huế「AN ĐỊNH CUNG, ĐIỂM ĐẾN CỦA DU KHÁCH KHÁCH THAM QUAN BẢO TÀNG CỔ VẬT CUNG ĐÌNH HUẾ





3階建てで構成されたヨーロッパ風の邸宅



アンディン宮殿は3フロアからなる建物で、2021年現在2階までしか行くことができません。

一階は客間やダイニングテーブルなどがあるメインフロア。

2階は住居スペース、最上階は礼拝所として使われていました。

正面にはカイディン帝の像

一つ一つのモチーフも要チェック

全体的に、壁や床はヨーロッパ調の同じ模様が反復されたテキスタイルが魅力で、それぞれの壁紙は部屋によっても異なるため必見です。





■1階の大広間と応接室エリア

1階にはダイニングルームや応接室があり、美しく煌びやかな空間となっています。

正面の扉から入ると、大広間にグエン王の王家の墓を描いた6枚の壁画があり、カイディン帝の仏像も正面に飾ってあります。

正面階段は踊り場から二手に分かれるデザインで、曲線が美しいデザインです。

正面入り口


1階の広間にあるバオダイ帝の絵画は一度漆喰で塗りつぶされていましたが2003年から5年かけてドイツの援助により復元された姿を見ることができます。


1階の客間

アンディン宮殿の説明のパネルもいくつか見られる


2階へ上がる階段

写真引用:Menet. 「Cung An Định – Bối cảnh chính của phim Gái già lắm chiêu V!




■2階居住スペース

2階は住居用で二階の表のテラスからは川沿いと正面玄関を見渡せ、2階の裏のテラスからは裏の広い中庭を一望することができます。

2階のベッドルーム


当時使われていた食器

日本人の関口俊吾さんによって描かれたバオダイ帝妃のナンフォーン(:Nam Phương)皇后の肖像画

写真引用:Mosky's Funpages「Bên trong cung điện vua Bảo Đại xin giữ lại sau lễ thoái vị

バオダイ帝時代のモノクロ写真の展示




■邸宅裏のフランス様式の庭園

2階からの裏庭の景色


裏庭から眺めたアンディン宮殿


ツバキやバラが咲く庭園スペースにはもう使われていない噴水もあります



フランス様式のアンディン宮殿は一瞬ベトナムを忘れる場所!


アンディン宮殿はベトナム人皇帝自らなぜフランス様式に改修したのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

フランス様式に改修した12代皇帝のカイディン帝は、彼の帝陵からもわかるように煌びやかなものが好きで、フランスに魅せられた人物の一人でした。


特にカイディン帝は、1922年にグエン王朝初の外交としてフランスのマルセイユ殖民博覧会に参加、また息子のヴィントゥイ王子(後のバオダイ王)をフランス留学に出すなど、フランスに強い興味や好意があった人物として知られています。

カイディン帝が自ら作った自身のお墓「カイディン帝廟」にも西洋の建築を見ることができますが、特にフランス様式が色濃く残っているのが、「アンディン宮殿」です。


最近ではベトナム離れした雰囲気を味わえることで写真映えスポットとしても人気を集めています。




カイディン帝のお墓「カイディン帝廟」と合わせて訪れてみては?



今回はダナン観光と合わせていきたいフエの観光地の一つ「アンディン宮殿」をご紹介いたしました。

「フエ」はベトナム最後の王宮があった最後の都として知られており、ベトナムの中でも非常に歴史的建造物が多い趣ある地域です。



また、アンディン宮殿に改修したカイディン帝の廟(:お墓)もフエ観光には見逃せないスポットの一つ。

カイディン帝廟は、ベトナムや中国を想わせる龍のモチーフと兵士や役人たちの石造に、外にそびえる塔や廟の建物の入り口はフランス様式を取り入れています。カイディン帝廟自身の等身大の金箔像と、煌びやかな空間は圧巻ですよ!


是非ダナンと合わせてフエ旅行も楽しんでみてくださいね♪





アンディン宮殿ーCung An Dinhー


住所:Số 78A Nguyễn Huệ, thành phố Huế

営業時間:7:00~17:00(しっかり17時に閉めるので早めに入場をしましょう。)

入場料:20.000VND(2021年3月時点はコロナの影響で無料)



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