【ダナンで働く日本人③】お客様の「楽しかった」の一言が喜び!H.I.Sの石橋さんにお話しを聞いてきました。



「ダナンで働く日本人」というこの企画ではベトナム・ダナンにいる日本人にインタビューしダナンで働く方の実態を掘り下げることを目的としています。


第3回目となる今回は、ダナンで計5年生活されておりますH.I.S.ダナン支店統括責任者である石橋 伸之(イシバシ ノブユキ)さんを取り上げさせて頂きます。


石橋さんは今年10月でベトナム勤続10年を迎え、日本勤務に戻られます。

旅行業を職とし、ご家族とも生活をされた思い出のあるベトナムでの10年を振り返り、仕事のやりがいやダナンの魅力をお話し頂きました。



※この記事の内容は2020年9月末にインタビューしたものです。




│H.I.S.について



H.I.S.(エイチ・アイ・エス)は2019年時点で世界70か国 、303都市、541拠点を持つ総合旅行会社です。

入社後数年で、海外支店へ志願することもでき、若いうちから「海外で働くこと」チャレンジすることができる会社でもあります。



ベトナムのダナン支店は今までに2度ダナン市内で移転をし、現在はダナン市内にある5つ星ホテルZen Diamond Suites Hotel の5階に店舗を構えています。


H.I.S.でご旅行されている方だけではなく、より多くの方にご利用いただきたいという観点から、SKY hub グローバルツアーラウンジという名前を大きく前に出しています。

ダナンのツアーラウンジでは、観光・ツアー案内デスクや、アオザイレンタルと撮影エリア、お土産販売、をしておりお客様に気軽にお越しいただけるような広々とした空間となっており多くのお客様に足を運んでいただいております。



海外拠点でも日本のきめ細やかなおもてなしの心でサービスを提供する事を大切にしている旅行会社です。





│簡単な経歴と現在のお仕事内容をお聞かせください



H.I.S.のYouTubeチャンネルでの石橋さん

卒業後、2007年にH.I.S.に入社しました。


小学生の頃から海外旅行へ行く機会があり、海外へ行くことへの抵抗感はなく、海外で働きたいという志望もありました。

元々旅行会社に入りたかったわけではなく、割と若い会社で、頑張ったら評価してもらえる会社を探していました。IT系などを見ていましたが、たまたま行ったH.I.S.の説明会で新しいこと挑戦している会社でいいなと思い、志望し入社に至りました。


入社当時は、日本で店舗の販売員をしており、世界中の旅行プランを販売していましたが入社4年後である2011年に、ベトナムへ配属されました。


ベトナムでは、ホーチミンとダナンを2、3年単位で行き来する形で働いてきました。

はじめは、現地での車の手配だったり、ガイドさんのアサインだったり、お客様の行程管理、緊急時の対応、を行うツアーコーディネーターという仕事をしていました。

現在は、インバウンド業務、アウトバウンド業務、総務部門、新規事業の4部門を統括するダナン支店統括責任者を務めさせていただいています。




│ベトナム人と仕事をする上で気を付けていることはありますか?


仕事では日本語と英語を半分半分ほど使って仕事をしているのですが、一番気を付けていることは具体的に指示することです。

お客様に直接影響が行ってしまう仕事ですので、指示がきちんと通らなかったりすることで起こる一つのミスやクレームはその対応に更に時間を費やすことになります。



ベトナム人の方は再現性が非常に高いです、そのため指示の内容を簡潔に、なるべく文字の羅列にならないようにし、フローチャートの様な物を作成して指示しています。

文字が多すぎるとそれだけで読む気が失せてしまうので、こうなったら報告、こうしたら報告、など図にする形ですね。

また最後に、理解できたかどうか、問題はないかどうかも確認します。

この最後の確認はやるかやらないかで、大きな違いが出るので、スタッフにも気を付けるよう伝えています。

もちろん、全部の仕事においてこのように出来るわけではありませんが、指示の仕方と確認については意識し徹底するようにしています。



「May be OK」と回答してくるスタッフには、それは「OK」ではないとしています。たとえ「OK」でもどうしてOKなのか、誰が言ってどうしてOKなのかその裏付けを取るようにすることで、確認する作業を日常化させるようにしています。



2013年当時のスタッフ集合写真




│ここ10年のベトナムの変化を教えて下さい



2010年の8月には弊社を通じてダナンにお越しになられたお客様は約20人。

ここ数年は、繁忙期は月に万単位の人数のお客様にお越しいただけるようになり、一年間の売り上げも好調です。

一般のお客様はもちろん、団体、社員旅行や修学旅行、起業視察のためのチャーター便ツアーという形で飛行機を一機丸ごと借りて、その視察のためのツアーをオーガナイズしたりするようになりました。

このように、規模感は確実に変わったなと思います。



主な要因としては、直行便とホテル、この二つが大きいと思います。

「世界遺産とビーチリゾートも楽しめる」がダナンの特徴ですが、2010年以降、2012年頃から五つ星のフュージョンマイアやプルマンがオープンし、他のリゾート地に比べ最新のホテルにコスパ面も良く泊まれるようになりました。

その後、成田とダナンで2014年直行便就航したことにより、ダナンへのアクセスも確保されました。



またインフラの面でも大きく変化しました。

来た当時はドラゴン橋やチャンティリー橋はありませんでした。

唯一市内中心にあったハン橋も乗用車以外通ってはいけないので、観光用のバスなどは遠回りすることになってもトゥアンフック橋やティエンソン橋を渡っていました。

現在ドラゴン橋など、市内と海側を繋ぐ5つの橋になったことにより、観光の交通の便も格段に良くなりましたね。





ダナン・ミーケビーチ沿い(2014年石橋さん撮影)





│ベトナムに住んでみてどう感じていますか?



東南アジアやハワイなども行ったことがありますが、中でもやはりダナンはとてもいいなと感じています!

ダナンの空気の良さと海や山がすぐ近くにある解放感が好きです。

晴れの日にバイクで海沿い走っているだけでややなこと全て忘れられる、そんな場所です。



さらににダナンの魅力でいえば、人柄の良さだと思います。


“ホーチミンは表向きは優しいけど、根は分からない

ハノイは初めは少し人見知りなどではじめは冷たいけど、懐に入ると優しい“


という印象がありますが、ダナンはホーチミンとハノイのそれぞれの良いところを取ったような人柄であると感じます。



また、娘が生後3ヵ月ぐらいでベトナムのホーチミンへ来て生活し、子育てするようになったのですが、子どもに優しい国だと思います。

奥さんが子どもを抱っこしてバス乗ってるとすぐ席を譲ってくれたり、ご飯食べてるときも近くにいるベトナム人の方が「私たちが面倒みてるから」と言ってくれ、夫婦でゆっくり食事を頂くことができたりしたことも多々あり、助けられました。

海外での子育ては海外で実家などのサポートも受けられいなどマイナスな面もあるかと思いますが、ベトナムの人の優しさが埋めてくれた部分があると感じます。






│仕事で一番やりがいを感じたエピソードを教えて下さい



一部上場企業と言われながらも、ダナン支店は海外支店の中でも当初は小さい支店でしたし、どんどん新しいものを展開していかないといけなかったのもあり、ベトナムに来た当初からやりがいはとても感じていました。

特に2014年夏の成田直行便就航や、2015年に初めて大阪から(ピークシーズンに飛行機を一機借りる)チャーター便が来た時は嬉しかったですね。



チャーター便を一機丸ごと借りるのにも、行先として魅力がなければ組んでもらえないという課題もありましたし、当時ガイドブックがない中なのでお客様から来るであろう質問事項などをまとめたり、事前にQ&Aを作成したりなどやるべきことは多くありました。


初めのお客様対応では、ガイドさんがお客様の質問に答えられないことがクレームに繋がったり、空港出国手続きで空港側の流れが悪くお客様を長時間待たせてしまったり、お客様のパスポート紛失などいろいろなことが起こりました。


正直想定外なことばかりで、日本人も私一人で行っていた時もあったので本当に大変でしたが、そのおかげで問題が起きる前に、問題が起きないように準備することを繰り返し、自分で考える思考力が身に付いたと思います。



このように大変だったことも多くありますが、私はお客様の旅の最後にすごく楽しそうに帰られる瞬間が本当に好きで、「楽しかった」「また来たい」などと直接お客様の声を聴けることで、やってよかったなと次の活力になっていました。

お客様誘致のために日本の本社に提案・企画をして、実際にお客様にダナンにお越し頂き、ご帰国までケアできるのは現地支店の醍醐味だと思います。



2014年夏成田直行便就航時の様子




│ベトナムに慣れるまでどれぐらい時間がかかりましたか?



来た当初、会社の人に言われたことで覚えているのが、3がつく数字でベトナムが嫌になる。という言葉です。(笑)


”3週間ごぐらいから悪いところ見えてくる。3ヵ月後には一回嫌いになる。6ヵ月経つともういいかと大丈夫になってくる。1年経つと普通に生活できる。”


ベトナム生活ではしんどいなと思ったりしたことももちろんあります。

私も振り返ると言われた通りだなと思いますが、自分の心の持ちようもあると思います。



また赴任当初、ホーチミンにいた時は1か月に一度大きく体調を崩していました。

ローカル料理を馴染もうと思って食べていたこともありますが、何かしらでお腹を下して点滴を打たないと無理、という状況になっていました。(笑)

約半年経ってからは、そういうことは一気に無くなり少しお腹が痛いことはあっても病院に行くことは無くなりました。

反対に日本に帰ってからは生卵が食べられなくなったりと、ある程度すると身体はベトナム人化してくるのかもしれないですね。




H.I.S.ダナン支店




│働き方とお休みの時の過ごし方を教えて下さい



私は基本的にベトナムの暦通りの休みです。

働き方は部門によって異なり、例えばお客様ケアをしているスタッフは完全シフト制で、みんなで休みを回す感じでスタッフは大変ですね。


私の場合たまにイレギュラーもありますが、一ヶ月7.5日~8日休みで土日連続で休めることも多いです。

乾季であれば4歳の娘と、プールに入って遊んだり休みの時は家族でゆっくり過ごしています。





│コロナで変化した業務内容はありますか?



コロナウイルスにより、海外からのお客様の受け入れはできなくなってしまったのでYouTubeで現地の情報を発信したり、オンライン体験ツアーという新しい形の「旅」を提供することを始めました。

オンライン体験ツアーは、コロナウイルス後から現在までH.I.S.が力を入れて行っていることの1つで、世界各国で300ツアーを展開予定で、現在もすでに販売開始しています。



このオンライン体験ツアーは、日本人のお客様に対して、海外旅行をオンラインで提供する、反対にベトナム人のお客様に対して日本旅行を提供するというものです。

特に、あまり行ったことない地へのお試し旅行を出来るということで人気で、YouTubeとは異なり、ライブ感」を重視したオンライン上で旅ができるプランとなっています。

このオンライン体験ツアーのアイディアを元に、インターンをオンラインで行うということも今年は執り行い好評だったと聞いています。



価格帯は大体1時間、約8ドル~提供しています。

コロナウイルスにより今は海外に出れない状況ですが、お試し価格で観光地を楽しめるようにライブ感を重視し、お客様が見たいどこがどうなっているのか、知りたい情報にお応えできるような作りにしています。

観光地に行くだけではなく、料理教室など、観光地が閉まっている状況などに応じて、屋内で行うものなども展開しています。



H.I.S.のYouTubeチャンネルでの石橋さん




│客層別によるベトナム人気プランを教えて下さい



シニア層の方には、三都市周遊が人気です。

北部か南部から入って、中部の世界遺産を回ってそれぞれぞれのみどころを回っていくツアーです。

ハロン湾とチャンアンなど全部見て、中部ではホイアン、ミーソン、フエまで回って、ホーチミンでミトー、戦争博物館などへ足を運ぶものです。

体力的にも大変なツアーではあるものの現在の70代以上の方たちは、若いころにベトナム戦争が起きているので、身近な国としてご旅行されているのだと思います。



若い方はホーチミンとダナンを組み合わせたような、インスタ映えを狙ったフォトジェニックな旅がすごく増えてきていますね。

タンディエン教会、ダナン大聖堂もかわいいとは言われていたけれど誰も来なかったものが、インスタグラムができてから協会そのものが目的地になって人の流れが一気に変わりました。

このような形で、現在フォトジェニックを中心とした旅は、ホーチミンとダナンで多く見られます。



またベトナムは、リゾート好きな人にもおすすめです。

ベトナムには、ダナン、フーコック・コンダオなどビーチを楽しめるリゾートがあります。

ダナンが雨季の日はフーコック・コンダオ、フーコック・コンダオが雨季の時はダナンが乾季です。

このように、一年間オールシーズンどこかしらで楽しむことができ、世界遺産も楽しめるのはベトナムの強みではないでしょうか。





│ダナンやホイアンでおすすめのレストランを教えて下さい!



ベトナム国内の人であれば「一寸法師」は昔から人気で喜ばれます。

日本から来た方も「ダナンってこんなレベル高い物食べられるの!?」と驚かれます。

あと接待の場合で一寸法師以外であれば、メーカットPizza 4P'sにお連れします。



ホイアンであれば、テラス席で景色を見ながら食事ができるお店を必ずブッキングします。

安倍元首相もいかれた、ホイアン三大名物を食べられるお店ということで、サクラレストランはよく利用させて頂いています。



ロマンチックな演出をしたいカップルやご夫婦のお客様には、ンターコンのラメゾンやフォーシーズンでコースメニューを弊社で代行予約するロマンチックディナープランが人気となっています。

ダナンは幅広い層や目的に合わせて行けるレストランが増えてきているのも嬉しいですよね。






│これからのダナンに期待することは?



初めダナンの見どころは世界遺産とビーチリゾートでしたが、それにフォトジェニックも加わるようになりました。

次に目指すべきは、ファミリーだと思います。



女子旅、カップル、ラグジュアリーでぐっと伸びて、インスタとかフォトジェニックで一気に伸びましたが、30代40代の家族でも楽しめるとなると、すそ野が広がるのではないかなと感じています。

現在ダナンはどちらかというと、 20~30代の若い女性に人気なのですが、今後バリ島やハワイのように40代ぐらいのかっこいい女性がファンになり、ライフスタイルを含めてダナンでの情報発信を行っていくことで見え方が変わってくるのではないでしょうか。



また、安心して遊べるマリンアクティビティー、家族で行けるようなアミューズメントパークの施設、所得の高い人向けのブランド品やハイセンスな雑貨屋さん、街中にもデューティーフリーができてきたら良いのではないかなと思います。







│編集後記



石橋さん、長時間に及ぶインタビュー、そしてベトナム・ダナンを中心とした魅力あるお話をありがとうございました。

一個人として、社会人として、そして家族を持つ父親として、多くの時間を過ごしてきたベトナムは石橋さん目線のお話はこれからダナンで仕事される方にとって、実りあるお話だったのではないでしょうか。


2010年以降急激に盛り上がりを見せてきていたダナン。

コロナウイルスにより、世界中で混乱と打撃を受けダナンにも国外からのお客様は受け付けることができなくなりました。

そんな中でも、新しい試みとし「オンライン」を使って体験旅行ツアーを打ち出したH.I.S.。


今後もダナンを始め、ベトナムの魅力を地域と繋がりお客様に寄り添い、発信し、提供していくH.I.S.に注目です。





【ダナンに住む日本人インタビューシリーズ】

【ダナンで働く日本人①】日系美容サロンBeauty Atelierの鴇田さんにお話を聞いてきました。

【ダナンで働く日本人②】ベトナム産の安心食品を販売するTable Produceの池田さんにお話を聞いてきました。

【ダナンで働く日本人③】お客様の「楽しかった」の一言が喜び!H.I.Sの石橋さんにお話しを聞いてきました。 (本記事)

【ダナンで働く日本人④】建築事務所「祥設計」の青野さんにお話を聞いてきました。




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アジア・ASEANにおいて特に経済発展が著しいベトナム。
特に中部のダナンは、人口約96万人のベトナム第三の都市とも呼ばれる港湾都市。
首都のハノイと南部のホーチミンから片道1時間強とアクセスが良く、日本の各都市からも直行便が飛んでいます。ダナン市内もコンパクトで、国際空港から中心地まではタクシーで約10分、ビーチまでは約20分の距離。
リゾート地としても知られるダナンは、主要国首脳会議が開かれるほど治安も良く、IT系や工場系を主とする国際的な企業からもビジネスの拠点として選ばれています。

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