ベトナム政府ワクチン基金設立＆実際の寄付の流れ
今月初め、ベトナム政府はコロナウイルスワクチンの接種を推し進めるためワクチン基金を設立しました。
弊社でも6月22日にベトナムのワクチン基金に「ダナン市ベトナム祖国戦線（Mặt trận Tổ quốc Việt Nam）」を通して寄付を行いました。
今回はベトナムのワクチン基金がなぜ必要なのか、実際に寄付してみた流れ、個人でもできる寄付の方法をご紹介いたします。
■ベトナム政府、ワクチン基金を設立
ーベトナム全土にワクチンを普及させるためにー
ベトナム政府は2021年、6月5日夜にハノイでワクチン基金創立の式典を執り行いました。
保健省によると、ベトナムの人口は2019年時点で9646万人。人口の約８割に当たる約7500万人がワクチンを接種するためには1億5000万回分のCOVID-19ワクチンを購入する必要があり、25.2兆VND、日本円にして約120億円（ワクチンを購入するコストが約21兆VND、その他輸送、保存、流通、組織運用にかかる費用）と推定されています。¹
「ワクチン基金」の名前の通り、寄付されたお金はベトナム国内で不足しているコロナウイルスワクチンの輸入・購入、ベトナム国内で行われているワクチン研究のために活用されます。
ワクチン基金の資金管理と使用については保健省が責任を負っており、ベトナムの会計法に基づき財務開示制度が6ヵ月ごとに公表されます。²
ワクチン基金設立時点で多くの寄付金が集まっており、6月5日午後10時時点で7兆6,360億VNDの寄付金（約束額も含む）が基金に集まった。³とされており、日本企業も含む多くの企業がワクチン基金に寄付を行っています。
6月5日時点で一番多く寄付を行ったのが、Long Thanh Golf Investment and Trading J.S.Cで、500.000.000.000(5000億VND：約2500万円)。それに続いてベトナム在住者にはお馴染みのVin groupも4480億VND、Viettle Telecomは4450億VND寄付しています。³
寄付を行った企業は、財務省のホームページ（注）からご覧いただけます。
同基金は、国内の企業はもちろん、国外在留ベトナム人共同体に対しても寄付を呼び掛けています。⁴
（注）2021年6月22日時点で50万以上の個人と250万円の企業のみ
■ダナンでの実際の寄付の流れ
今回弊社カテルドベトナムが寄付したのは「ワクチン基金」です。
ベトナム共産党の組織の一つである、「ダナン市ベトナム祖国戦線（Mặt trận Tổ quốc Việt Nam）」を通し中央管轄のベトナム祖国戦線へ寄付され、国の財源として使用されます。
ベトナム祖国戦線にて50.000.000VNDを寄付した写真：2021年6月22日
寄付の流れは、寄付金を入金後、自治体にあるベトナム祖国戦線に行き贈呈式に参加する、と非常にシンプルです。
ベトナム祖国戦線への贈呈式の参加は省略しても可能ですが、企業の場合は寄付金を法人税計算の際に損金算入可能費用として課税所得から控除するために必要な寄付した金額が記載された証明書類を受け取りに行く必要があるため、書類が必要な方は挨拶も同時に行うのが一般的です。
ベトナム祖国戦線への贈呈式は、公に決められており事前に曜日を確認し、足を運びます。
贈呈式にはいくつもの会社が入れ代わり立ち代わりベトナム祖国戦線の副委員長に挨拶と贈呈、写真撮影を行う形で一社あたり、約５分程度で終了します。
贈呈式には写真撮影の際に一目で分かるように寄付先(ベトナム基金)、企業名、寄付金額が描かれたパネルを持って行く必要があり、1パネル当たり300円～400円程度で業者に発注することができます。
【寄付に関する問い合わせ】
寄付はCOVID-19ワクチン基金の口座へ振込することで行えます。
寄付金は各銀行から、国内、国外問わずVND、USD、EURで送金可能です。
詳しくは保健省が提示しているリストからご覧いただけます。
ワクチン基金の寄付に関するその他の情報は財務省（bộ Tài chính）のCovid-19ワクチン基金管理委員会のホットライン、メールをご利用ください。
■個人でも気軽にランニングをして寄付が可能！
ベトナムでは6月2日の15時から「Run for Vaccine」という、走ることで寄付ができるという活動が行われています。
システムは簡単。アプリをダウンロードし、個人が選択した距離（10㎞、21㎞、42㎞、100㎞）を登録日から21日間で走ります。
費用は一律100.000VND（約500円）で、全額が寄付に充てられます。
支払いはnapas（国内ATMカード、マスターカード、JCBカード）とmomoで可能です。
個人のチャレンジが達成された後は電子証明書や電子メダルをもらえる仕組みになっており、ベトナム国内にあるマラソングループ同士で総距離を競い合うこともできるため、ゲーム感覚で楽しむことができるのも利点となっています。
ベトナムではコロナまん延防止策として多くの地域でジムが営業停止になって”コロナ太り”を気にしている方も多いのではないでしょうか。
6月22日９時の時点で5475人が参加、計669.600.000VND（約330万円）が集まっています。
今回の「Run for Vaccine」では、人との距離を保ちながら行えるランニングを通して基金が行えるため、更なる参加者が見込めると考えます。
「Run for Vaccine」は7月18日まで行われる予定です。
さいごに
いかがだったでしょうか。
今回は、ベトナム政府ワクチン基金についてご紹介しました。
ベトナムではコロナ困窮で困っている人に米を寄付したり、洪水被害があれば支援物資と寄付金を集めるために行政が窓口になってすぐに寄付を募る風習があります。
コロナウイルスの影響により厳しい状況が世界的に続きますが、この難局を乗り越えられると信じ、がんばりましょう。
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参考URL
¹https://tuoitre.vn/bo-tai-chinh-trinh-chinh-phu-th...
²https://www.sav.gov.vn/Pages/chi-tiet-tin.aspx?Ite...
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アジア・ASEANにおいて特に経済発展が著しいベトナム。
特に中部のダナンは、人口約96万人のベトナム第三の都市とも呼ばれる港湾都市。
首都のハノイと南部のホーチミンから片道1時間強とアクセスが良く、日本の各都市からも直行便が飛んでいます。ダナン市内もコンパクトで、国際空港から中心地まではタクシーで約10分、ビーチまでは約20分の距離。
リゾート地としても知られるダナンは、主要国首脳会議が開かれるほど治安も良く、IT系や工場系を主とする国際的な企業からもビジネスの拠点として選ばれています。
